20代からのシミ対策―正しい予防法とは？

20代後半から30代にかけて、シミが気になり始める方は多いのではないでしょうか。

一般にシミは30代後半から増え始めると言われていますが、10代20代の頃に浴びた紫外線がシミの発生時期に大きくかかわっているのです。

例えば学生時代の部活などでよく日に焼けていた人は20代の早くから出始め、逆にインドアでの活動が多かった人は40代ごろからと言われています。
つまり、できるだけ早く対策をすることでシミの予防になるということです。

有効なシミ対策ために、「そもそもシミとは何なのか」「基本の予防方法」について追っていきたいと思います。

1. シミとは何なのか？

皮膚に現れる淡褐色、または暗褐色の色素斑をシミと呼びます。

長年紫外線を浴びてきたことにより肌がダメージを受け（光老化と言います）、皮膚細胞の再生機能が落ちることでメラニンを体外に排出しにくくなっている状態です。

2. あなたのシミはどのタイプ？

シミと言えばなんでも美白化粧品でお手入れすれば良いと思われがちですが、シミの中にも美白成分が効くものと効かないものがあります。

シミのタイプを見分けることが、より効果的なケアを行うためには重要です。

2.1. 老人性色素斑（日光性黒子）

シミの中で最も多いタイプです。

• 大きさ：　直径数mmから数十mmの様々な大きさ
• 色・形：　丸い色素斑。薄い茶からしだいに濃くなり黒くはっきりしてくる。
• 原因：　紫外線の影響や肌の老化によってメラニンが蓄積することでできる。
• 対策：　紫外線を避け、UVケア商品で紫外線を防ぐ。ごく初期の薄いものには美白化粧品でOK。ただし定着した濃いものは消えないのでレーザー治療などが必要。

2.2. 雀卵斑（そばかす）

• 大きさ：　直径2～3mm
• 色・形：　小さな点状に広がるシミで、丸くはなく三角や四角の場合が多い。薄い茶色（褐色）のものがほとんど。
• 原因：　遺伝的な要因ででき、幼少期から思春期にかけて目立つ傾向がある。紫外線の影響で濃くなることもある。
• 対策：　UVケア商品で紫外線を防ぐことが重要。遺伝的要素が強いため、美白化粧品の効果は出にくい。レーザー治療を取り入れるときれいに消えることもあるが、再発することも。

2.3. 炎症後色素沈着

• 大きさ：　さまざま
• 色・形：　赤から黒までさまざま
• 原因：　ニキビ跡や虫刺され、傷などによる肌の炎症が治ったときにできるシミ。毛抜きでムダ毛を抜いていると毛穴回りが黒く跡になることも。
• 対策：　美白化粧品が有効。気にしすぎて刺激しすぎると刺激がメラニン合成を高めるので、洗顔時にこすりすぎないのも大切。原則としてレーザー治療は禁忌。

2.4. 肝斑

• 特徴：　左右対称にできる
• 色・形：　淡褐色や暗褐色などさまざま
• 原因：　紫外線による影響や女性ホルモンのバランスがくずれたときにできることが多い。妊娠中やピルを服用したとき、または更年期の人に良く見られる。
• 対策：　紫外線を避け、UVケア商品で紫外線を防ぐ。内服薬のトラネキサム酸が効果が出やすい。美白化粧品で薄くなることもある。洗顔時のこすりすぎで発症、悪化する場合もあり、洗顔はソフトにする必要がある。

3. シミの早期対策―気を付けるべきこと

シミの基本的な対策は、肌のターンオーバーを促し老廃物を排出しやすくすることです。

外からの紫外線のシャットアウトとあわせて行うことで効果が期待できます。

3.1. 血の巡りをよくする

ターンオーバーには血流が大きく関係しています。

食べ物を工夫して血流をよくする食生活を習慣づけましょう。

血流をよくする食べ物には以下のようなものがあります。

食生活改善に加えて適度な運動を取り入れることで血流を促進することができます。

また、冬場の冷えで血流が滞ることがあるので、意識して対策を行いましょう。

3.2. 通年で紫外線対策を行う

紫外線は春先から夏、秋のはじめにかけて特に強く、この時期に日焼け止めを使用する方も多いでしょう。

しかし紫外線は晴れの日はもちろん、雨の日でさえも一年を通して降り注ぎます。

シミができやすい体質の方は通年で日焼け止め・UVケア商品を利用するなどして、意識的に紫外線を防ぐ必要があるでしょう。

4. シミ対策は大きく分けて2つ

この2点が重要になってきます。

特に体質や食生活はすぐに変化がみられるものではありませんので、早期からの対策をしっかり行いましょう。

5. 参考文献

「日本化粧品検定2級・3級テキスト」日本化粧品検定協会　主婦の友社