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脂性肌・乾燥肌・敏感肌…

人によって肌質が異なりますが、それは赤ちゃんも同じです。

乾燥肌の赤ちゃんは、アトピー性皮膚炎の発症に注意が必要だと言われています。

その予防方法として「早期スキンケア」という乳幼児の段階で行うスキンケアに注目が集まっています。

 

 

1. バリアが弱い赤ちゃんの肌

 

大人の肌は表皮部分が平均で2mmほどですが、赤ちゃんの表皮はこの半分程度の薄さです。

このため、アレルギーを起こす物質が侵入しやすく、とてもデリケートなのです。

また、皮脂の分泌も少ないため乾燥した状態になりやすく、これがアトピー性皮膚炎を引き起こしやすいと言われています[1]

 

2. 早期スキンケアにはアトピー予防効果がある?

 

早期スキンケアとは、乳幼児のころからていねいな肌のお手入れを行うことです。

肌を清潔に保ち、保湿をしっかり行うことでアトピー性皮膚炎の予防になるということが研究で分かっています[2]

赤ちゃんは皮脂が少ないため、ただ単に水分をとどめるのみではなく、油分を残す保湿を行う必要があります[3]

 

国立成育医療研究センターによると、家族がアトピー皮膚炎になったことがある乳児たちに、出生直後から全身に保湿剤を塗ったところ、塗らなかったグループよりもアトピーの発症率が約割3低かったということです[4]

早いうちから適切なスキンケア指導ができれば、重症化を防ぐことができるでしょう。

 

ただし、肌が健康で皮膚炎のリスクが少ない子に過剰なスキンケアは逆効果です。赤ちゃんの状態に合わせたスキンケアを心がけましょう。

 

 

3. 早期スキンケアの方法

 

通常の沐浴や入浴の際にスキンケアを行います。

 

3.1. お湯で全身を温める

お湯の温度は38℃~40℃で、季節に合わせて調整を行ってください。

 

 

3.2. せっけんできれいに洗う

きめ細かな泡を作り、体のしわを伸ばすようにして顔も含めてしっかり洗います。

泡が口や目に入らないよう慎重に行ってください。

 

 

3.3. 体を洗い流す

泡が残ると肌荒れの原因となります。すみずみまでたっぷりのお湯で洗い流してください。

 

 

3.4. 保湿を行う

やわらかいタオルなどで水気をふき取ります。強くこすると肌を傷つけてしまうので、タオルを押し当てるようにして優しく拭き取ります。

保湿剤をティッシュが張り付くくらいたっぷり塗り広げます。

 

 

 

 

4. せっけんの選び方

赤ちゃんに合ったせっけんを選ぶことでスキンケアの効果が期待できます。

弱酸性のものがよいという説もありますが、弱アルカリ性のせっけんでも問題はありません。無添加のせっけんは弱アルカリ性のものが多いようです。

できるだけ無添加の、肌に優しいせっけんを選んであげましょう。

また、洗浄力を重視するあまり皮脂を落としすぎるものを選ばないよう注意してください。

 

無添加で保湿力の高いせっけんを一つご紹介します。

ルメディカ30ソープ(エスケー石鹸株式会社製造)

商品はこちらからご覧いただけます。

添加物や香料・着色料を一切使用していない、ナチュラルなせっけんです。

溶岩をパウダーにしたものが配合されていますが、スクラブではないので赤ちゃんの柔らかい肌にも安心です。溶岩のミネラルは肌によいとされています。

シアバターを配合しているため洗いあがりがつっぱらず、程よい保湿感が残るので、急いで保湿剤をつける必要がありません。(お肌の状況によって保湿剤の量を調整してください。)

皮脂を取り切らずにしっかり洗えるせっけんなので、赤ちゃんと一緒に入浴するお父さん、お母さん、家族みんなで使うことができます。

 

赤ちゃんのスキンケアについて、厚生労働省の研究チームから、「小児のアレルギー疾患 保険指導の手引き」[3]というリーフレットが発行されています。インターネットから確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

5. 参考文献

 

    [1] 二村 昌樹, 伊藤 浩 明, 尾辻 健太,  平山 美香, 林 啓一, 大矢 幸弘, 益子 育代(2009)

    「乳児早期のスキンケアによるアトピー性 皮膚炎発症予防効果の検討」(MS6 アトピー性皮膚炎,ミニシンポジウム,第24回日本アレルギー学会春季臨床大会), アレルギー, 2012, 61 巻, 3-4 号, p. 475-

     

    [2] 山口 求, 今村 美幸, 松高 健司, 光盛 友美(2009)「乳児のスキンケアに関する研究 シュガースクラブ」目本小児看護学会誌 Journal ofJapanesc Society of Child Health NursingVol.18, No.1, p59 −64

     

    [3] 厚生労働省(2019)小児のアレルギー疾患保険指導の手引き

    <https://www.jschild.or.jp/archives/772/>, 2019年10月31日アクセス

     

    [4] Horimukai K, Morita K, Narita M, Kondo M, Kitazawa H, Nozaki M, Shigematsu Y, Yoshida K, Niizeki H,

    Motomura K, Sago H, Takimoto T, Inoue E, Kamemura N, Kido H, Hisatsune J, Sugai M, Murota H, Katayama I, Sasaki T,

    Amagai M, Morita H, Matsuda A, Matsumoto K, Saito H, & Ohya Y

    (2014)Application of Moisturizer to Neonates Prevents Development of Atopic Dermatitis. Journal of Allergy & Clinical Immunology (11.248) Vol. 134, Issue 4.

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